Abstract
宮城県の慣行栽培法を基に, 水田で基肥窒素量の異なる2区(N 3.0区:窒素成分で3.0g m-2, N 4.5区:4.5g m-2)を設定し, 標準的な管理下での水稲品種ササニシキの生長を調べ, 茎数増加様式を解析した. 1次分げつは2号分げつ(T2:以降n号分げつをTnと略記)からT7までが出現し, 特にT3からT6までの出現率が高かった. 2次分げつはT2からT5までの1次分げつから出現し, 特にT3, T4からの2次分げつが多かった. 茎数増加はN4.5区で早く, 最高茎数も多かったが, 有効茎数は両区でほぼ同じであった. 主茎葉齢はN 4.5区の方が早く進み, 特に茎数急増期には両区間の差は0.5となった. 主茎葉齢をタイムスケールとして実測の茎数増加曲線を描くと, 茎数急増期に両区とも重なる. これは, この時期に主茎葉齢の進み方がN 4.5区で速かったために, 茎数増加もN 4.5区で速かったことを示す. 一方, 各分げつが同伸葉理論通りに出現したと仮定したときの茎数増加曲線を, 分げつ位ごとの出現率から描くと, N4.5区の方が茎数増加が速かった. このことについては, T3の相対葉齢差(主茎と分げつの葉齢の進み方の差)がN 3.0区の方が大きく, N 3.0区でT3からの2次分げつがN 4.5区より早く出現したため, 両区の主茎葉齢をタイムスケールとした実測値の茎数増加曲線が重なったと考察した. また, 「有効分げつ決定期」が, 水稲の生育を解析する上であまり意味を持たないことを示した. さらに, 稚苗移植栽培においてもT2が出現・生長したことに関して, T2の分化・発達をも含めて考察した.
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