Abstract

1. 嫌気性菌が原因菌と考えられた慢性中耳炎2例を報告し, 若干の考察を加えた. 1例は, 中耳炎術後再感染例で外耳道狭窄, 鼓室に肉芽の増殖を認め, 耳漏は悪臭を呈した. 細菌検査で, Bacteroides, Fusobacterium, Peptococcus, 微好気性連鎖球菌を分離した. リンコマイシン6mg/mlも局所に連日使用し, 悪臭ある耳漏は停止した. 他の1例は, 真珠腫性中耳炎急性増悪例で, Fusobacterium, Bacteroides, Peptococcus, Clostridium を分離した.2. 慢性中耳炎62例から分離した嫌気性菌81株のうち, 主な5菌種の薬剤感受性を検討した. てのうち, Bacteroides, Fusobocterium の耐性株が多かった. 5菌種が共通して感性だったのは, CPであり, ついでLCM, ABPC, CERであり, アミノ配糖体系薬剤は Veillonella を除外した4菌種で耐性株が非常に多かった. 嫌気性菌感染中耳炎の第1選択薬剤は, CPが適当である.

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