Abstract

要旨症例は63歳,男性。自宅内で体動困難となっているところを発見され,当院に救急搬送された。来院時,高熱を伴ったショック状態であり,右下腿には発赤腫脹が見られ水疱を伴っていた。CTにて右下腿の筋膜炎と傍大動脈リンパ節の腫脹が認められ,劇症型溶血性連鎖球菌感染症(以下STSS)を疑い,ピペラシリン,クリンダマイシンによる抗生剤治療を開始した。下腿に壊死組織はなく外科的処置は行わなかった。しかし,多臓器不全(以下MOF),播種性血管内凝固症候群(以下DIC)を伴っていたために,AN69ST膜のhemofilterを使用した持続血液濾過透析(以下CHDF)を含む集学的治療を開始し,循環動態は安定した。血液培養からはG群溶血性連鎖球菌が検出されSTSSの確定診断に至った。その後,感染やMOF,DICは治癒し,第43病日に独歩退院した。MOF,DICを合併したSTSSの治療に,ポリミキシンB固定化カラムによる直接血液灌流法(PMX–DHP)は併用せず,AN69ST膜のhemofilterを使用したCHDF単独の血液浄化療法を施行し救命できた症例を報告する。

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