Abstract

慢性糸球体腎炎の治療は, 薬物療法などの進歩により, ある程度の治療効果が望めるようになってきた. 腎炎の存在を尿検査などから的確に判断し, 必要な症例には病理診断を確実に行うことが治療法を決める上で重要である. 治療の主体となる薬剤療法に加えて, 食事療法や日常生活指導を的確に行えば, 慢性糸球体腎炎の治癒は望めないまでも, 軽減・進展阻止・進行抑制を目指すことができる. 現在検討が進められている低タンパク食やアンギオテンシン変換酵素阻害剤, さらにシクロスポリンの評価が定まれば, 治療法の幅が広がるとともに, より高い治療効果が期待される. 現在進行している分子生物学的な手法による研究は, 腎炎の発症・進展に関与する様々な因子・細胞の特性を明らかにしつつあり, これまでとは異なった治療法が開発されるのも夢ではない.

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