Abstract

喘息患者への硬膜外麻酔は, ブロック領域が高位に及ぶと相対的に副交感神経活動を優位にし発作を誘発するため禁忌であるとされていた. しかし, 硬膜外麻酔を喘息患者に使用しても発作は誘発されないとの報告が増えてきた. ネコを用いた硬膜外麻酔では, 相対的に副交感神経活動は優位になるが, 気道内圧やコンプライアンスに変化はなかった. さらに, 気道収縮を起こす誘発試験では, 硬膜外麻酔はむしろ気道の感受性を低下させ, その理由は局所麻酔薬の全身作用によることが示された. 硬膜外麻酔による交感神経ブロックは, 喘息を悪化させるだけではないことが考えられている. 硬膜外麻酔を喘息患者に用いることにためらう必要はない.

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