Abstract

本研究では,スクールカウンセラー(SC)活用調査研究委託事業が開始された1995年から近年までの日本のSC研究の動向を検討することを目的とした。全国の公立中学校へのSC配置が正式に進められた2001年を1つの基準として,表題・副題にSC等の記載がある1995―2019年のSC研究論文数(学術誌・紀要)の推移を把握すると共に,学術誌の研究内容について計量テキスト分析を行った。その結果,学術誌・紀要全体では,2000年以前より2001年以降の論文数が増加していた一方,2001年以降の推移に着目すると,SC配置が年々増加しているにもかかわらず,学術誌・紀要の増加傾向はみられなかった。学術誌の内容分析では,2000年以前は,学校現場でのSCの役割・機能を模索し評価する研究が行われ,2001年以降は,主に不登校支援や相談室の特徴・機能を探る研究等が行われた時期を経た後,近年,教師等との効果的な連携・協働を進めるための研究が盛んに行われている傾向が示された。1995年以降,研究論文の量的な蓄積と共に,学校教育が抱える多様な諸問題・ニーズに呼応するかたちで,扱われる研究内容も変化している。これらの動向を踏まえて,今後のSC研究の発展的課題について考察した。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call