Abstract

【背景と目的】鎮静下で内視鏡診療を受けた高齢者は,開眼した後にせん妄を発症することがある.本研究では,せん妄発症の予防と対応のための看護介入のタイミングを知ることを目的とし,鎮静下で内視鏡診療を受けた高齢者の覚醒レベルの推移を,催眠深度測定指標(Bispectral Index System:BIS)を用いて観察するパイロットスタディを行った.【方 法】65歳以上の患者4名(平均年齢74.3歳)を対象として,内視鏡診療前日に15分間のBIS測定を行ってベースラインとした後,鎮静の開始から内視鏡診療が終了して帰室した後240分まで,BIS値の連続測定を行った.【結 果】対象者4名とも,せん妄は認められなかった.BIS値は鎮静開始直後から低下し,内視鏡診療が終了して帰室した後,120分付近で上昇を認めた.内視鏡診療中の平均BIS値は,日本消化器内視鏡学会が推奨する中等度鎮静に相当する覚醒レベルで調整されていた.【結 論】本研究では,せん妄が認められなかったが,帰室後120分付近でBISが上昇し,せん妄が起こるとすればこの周辺の時間帯である可能性が示唆され,看護介入のタイミングを知る参考となった.また,せん妄発症の予防と対応のための看護介入のタイミングを図るためにも,BIS値を内視鏡診療および看護における観察の補助データとして活用できると考えられた.

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