Abstract

【背景および目的】妊娠関連脳卒中は,妊産婦死亡の主要な原因であり,その病態の理解は重要である.妊娠関連脳卒中のなかには,脳皮質に限局するくも膜下出血(皮質性くも膜下出血)で発症し,比較的良好な経過をたどる例が存在する.【方法】妊娠経過中に皮質性くも膜下出血を発症した5 例の臨床的特徴を,診療録をもとに検討した.【結果】いずれも産褥期に発症しており,reversible cerebral vasoconstriction syndrome(RCVS)とposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)に合致する臨床経過,画像所見を単独,または重複して認めた.【結論】皮質性くも膜下出血で発症する妊娠関連脳卒中は,その発症にRCVS とPRES が関与し,転帰は良好ではあるが,注意深い経過観察が必要である.

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