Abstract

2001年4月から2011年3月までに当科で加療した口腔内小唾液腺癌45例の臨床的検討を行った。原発部位は,頬粘膜が13例と最も多く,次いで8例の口底であった。病期は,stage I 16例,stage II 13例,stage III 3例,stage IVA 12例,stage IVB 1例であった。病理組織学的には,粘表皮癌が最も多く22例で,次いで腺様嚢胞癌13例,多型低悪性度腺癌4例の順に多かった。初回治療として,放射線療法を施行した1例を除く44例に手術療法を施行した。原発巣再発は粘表皮癌4例,腺様嚢胞癌1例,腺癌NOS 1例に認めた。原発巣再発を認めた粘表皮癌4例のうち,高悪性度は2例(40.0%),中悪性度は1例(20.0%),低悪性度は1例(9.1%)で,追加手術により中悪性度・低悪性度の2例は救済された。頸部郭清術は16例に施行し,頸部再発は高悪性度および中悪性度粘表皮癌に1例ずつ認め,追加手術により中悪性度症例は救済された。原発腫瘍・頸部が制御された上で肺転移を認めた症例は腺様嚢胞癌の3例で,いずれも原病死した。小唾液腺癌45例の5年および10年疾患特異的生存率は90.1%および66.9%であった。以上より,原発巣再発の多い高悪性度粘表皮癌では十分な安全域の設定が必要であり,腺様嚢胞癌においては肺転移に対する新規治療法の確立が必要と考えられた。

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