Abstract

30代男性,3歳時に単心房・単心室症を背景にFontan手術を受けた.Fontan associated liver disease(FALD)として肝臓内科にフォローを開始されて以来3年後にFALD関連肝癌を疑われ,腹腔鏡肝切除を施行した.肝離断中は,Central venous pressure(CVP)圧を下げるため,positive end expiratory pressureをオフし,最小限の輸液量,利尿剤併用しながらの麻酔管理を行うも,Fontan循環の影響でCVPコントロールは不良で,静脈性出血が継続したままの肝離断となった.本症例は,術後合併症なく経過したものの,FALD関連肝癌症例は,Fontan循環による高CVP下での肝離断を余儀なくされるため,そのジレンマを解決する必要があり,その対策に関して考察を加え報告する.

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