Abstract

われわれはアルコールの大量飲酒後に, 黄疸・溶血性貧血・高脂血症・アルコール性肝炎を呈したジーベ症候群を経験したので報告する. 症例は52歳の男性でアルコールの大量飲酒を繰り返し, 全身倦怠感と黄疸の治療のため入院した. 血液生化学検査で総ビリルビン値は3.4mg/dl, 間接型が65%で, 網状赤血球は43‰・血清総コレステロールは550mg/dl・中性脂肪は3350mg/dl・γ-GTPは975単位, ALPは5.4B・L単位, GOTは395単位・GPTは80単位であった. 血液生化学検査は, アルコールの中止により急速に改善し, 3カ月でγ-GTPは100単位以下となり, 血液所見は正常化した. アポリポ蛋白はB C2 C3 Eに異常を認め, コレステロールの肝での合成の亢進を疑わせた. 本症候群はアルコール性肝炎の中でも希な病態であるが, 各種肝疾患における溶血と脂質の代謝を考察するうえで興味ある症例であった.

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