Abstract

症例は66歳男性.X-1年3月より当院眼科にてぶどう膜炎の治療を継続していた.X年2月,検診で甲状腺腫大を指摘さ れ当院耳鼻咽喉科を受診.甲状腺右葉の腫瘤に対する穿刺吸引細胞診にて異型細胞を認め,X年5月上旬に甲状腺全摘術を 施行した.摘出された甲状腺からは乳頭癌が検出されたほか,背景の甲状腺組織に多数の類上皮細胞肉芽腫を認めた.また 術前に施行した頸胸部CTにて多数の肺門縦隔リンパ節腫脹を認めており,X年5月下旬に当科紹介.気管支鏡検査を行い, 生検した肺組織からも類上皮細胞肉芽腫を認めた.以上より甲状腺病変を含む全身性サルコイドーシス組織診断群(眼,肺, 甲状腺)と診断した.甲状腺病変を認めるサルコイドーシスの報告は少なく,同時に甲状腺癌の合併を認めることも非常に 稀である.サルコイドーシスにおける甲状腺病変やサルコイドーシスと悪性腫瘍との関連など示唆に富む症例と考えられる ため報告する.

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