Abstract

テント部硬膜動静脈瘻(TDAVF)は,脳実質内出血やくも膜下出血で発症して脳実質損傷を生じることが多く,急性硬膜下血腫(ASDH)の単独発症は非常に稀である.今回我々は,後頭蓋窩ASDHで発症したTDAVFに対して,発症早期に直達手術にて転帰良好であった症例を経験したので報告する.症例は29歳男性,突然の頭痛と嘔吐を生じたため,当院に救急搬送された.頭部CTで右後頭蓋窩にASDHを認めた.脳血管撮影では右テント切痕部にシャント部があり,静脈逆流および静脈瘤の形成を有するTDAVFの所見を認めた.血管内治療では,シャント部へのマイクロカテーテルの誘導が困難で,直達手術によりシャント部の完全閉塞が得られた.脳実質損傷を伴わない後頭蓋窩ASDH単独発症のTDAVF患者では,血腫除去および導出静脈におけるシャント部の離断を同時に施行でき,かつ根治性が高い直達手術の有用性が示唆された.

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