Abstract

術後合併症としてのintra-abdominal candidiasis(IAC)は,稀であるが予後不良な病態である.十二指腸穿孔性汎発性腹膜炎術後のカンジダ性多発腹腔内膿瘍に対して再手術を行った1例を報告する.症例は65歳の男性.十二指腸穿孔性汎発性腹膜炎,敗血症性ショックの診断で緊急開腹ドレナージ,大網充填術を行った.敗血症性ショックからは回復したが,術後6日目に発熱,CRP再上昇を認めた.術中採取した感染性腹水からCandida albicansが同定され,抗真菌薬加療を開始した.発熱等の症状は改善せず,術後10日目の腹部造影CTで多数の腹腔内膿瘍を認めたため,再開腹ドレナージ術を行った.術後十二指腸潰瘍穿孔部からの腸液の再流出を認めたが,抗真菌薬は計28日投与し,IACは軽快した.緊急手術術後IACにはドレナージ術が有効であるが,再手術はリスクを伴うため,適切な時期や適応に関する検討が今後の課題である.

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