Abstract

2分脊椎を介して腰部皮下と脊椎管内とに関連性を有した脂肪腫が脊髄を圧迫し神経症状をきたした36歳男性の症例を報告した. 本症例は排尿困難, 頻尿, 腰痛を主訴として来院し, 尿力学的検査, ミエログラフィー, CTスキャン等により本疾患の質的診断および局在的診断が可能であった. 椎弓切除術および腫瘍の亜全摘術が行なわれ, 現在は外来にて経過観察中である.脊髄脂肪腫は比較的稀な疾患であり, 脊髄原発腫瘍の約1%を占め本邦では約50例の報告があるにすぎない. やや男性に多く, 若年層に頻度が高いとされている. 腰仙部脂肪腫の症状としては歩行障害, 下肢の麻痺, 排尿困難等が主なものである. 本疾患診断のうえで以前はミエログラフィーが唯一の診断方法であったが, 近年CTスキャンの出現によりその診断率は向上した. 我々の症例においても術前診断にCTスキャンが有用であった. 治療方法としてはできるだけ早期に椎弓切除術, 腫瘍摘出術を含めた減圧手術を行なうことが神経症状の進行を抑える最良の方法である.

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