Abstract

術前に卵巣腫瘍と鑑別が困難であった小腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)の手術症例を経験したので報告する.症例は67歳の女性.健診にて貧血を指摘され,近医で上下部消化管内視鏡検査を施行するも,異常所見なく,婦人科疾患の精査目的に当院産婦人科を紹介受診となった.骨盤部造影CT検査にて右卵巣に一致して内部造影不良域を伴う長径51mmの境界明瞭な腫瘤を認め,骨盤部造影MRI検査では子宮右側に53×38×48mm大の内部非造影領域と辺縁造影効果を伴う腫瘤を認めた.右卵巣腫瘍の診断で開腹子宮全摘,両側付属器切除術の予定となったが,開腹所見にて腫瘍は子宮や両側付属器と連続しておらず,小腸原発腫瘍と判明したため,術中に当科紹介となった.腫瘍の肉眼所見は壁外発育性のGIST様で小腸リンパ節の明らかな腫大を認めなかったため,小腸部分切除術を施行した.手術時間は1時間54分,出血は少量であった.術後経過は良好で術後第7病日に軽快退院となった.骨盤内に落ち込んだ小腸原発性腫瘍と卵巣腫瘍などの婦人科系腫瘍性疾患は鑑別が難しく,今回術前卵巣腫瘍と鑑別困難であった小腸GISTの手術症例を経験したため,文献的考察を交えて報告する.

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