Abstract

患者:69 歳,女性。腎癌の既往があり,肺,肝臓,骨転移を合併している。自宅でストーブにあたっていて左下腿に熱傷を受傷した。浅在性 2 度熱傷と判断し,外来で保存的加療を行っていた。しかし,熱傷の上皮化が遷延し第 14 病日を過ぎて熱傷創やその周囲に膿疱や膿海がみられるようになってきた。強い疼痛を伴っていた。膿疱の生検病理組織像では角層内の好中球浸潤の他,表皮内,真皮内に多数の好酸球が認められた。第 19 病日に,投与中であったアキシチニブを被疑薬とした膿疱型薬疹と診断した。入院の上,同薬の休薬とプレドニゾロン(30 mg/day)の内服を行ったところ,膿海は速やかに上皮化した。 膿疱が消退したのでプレドニゾロンを漸減して退院した。文献を渉猟したところ,アキシチニブを含めたチロシンキナーゼ阻害薬は好中球の遊走能に影響を及ぼし,膿疱を形成しやすいことが示された。これらの薬剤の皮膚障害に対して皮膚科医は積極的に取り組むべきと結論した。

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