Abstract

症例は75歳,男性.眼前暗黒感,腹痛および呼吸苦を主訴に当院へ救急搬送となった.造影CTでは脾臓と肝臓に複数の腫瘍および血性腹水を認め,腫瘍破裂による腹腔内出血が疑われた.全身状態は保たれており,翌日に待機的に脾臓摘出および外側区域切除術を施行した.病理検査の結果,脾臓原発血管肉腫および肝転移と診断した.術後32日目と34日目に各々腹腔内出血を認め,各々経カテーテル動脈塞栓術(以下,TAE)で止血を得た.十分な説明と同意のもと,2回目のTAE施行後10日目に化学療法(パクリタキセル)を開始したが,1クール施行後のCTにて肝転移の増大を認め,化学療法は中止した.その後DICを併発し,術後106日目に永眠した.脾臓原発血管肉腫は非常に希少かつ予後不良な疾患であり,特に脾破裂で発見された場合には平均予後は4.4カ月と報告されている1).治療も現状では確立されたものはない.若干の文献を混じえて検討を行ったので報告する.

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