Abstract

症例は71歳の男性で,嘔吐を主訴に近医を受診したが,症状が改善しないため当科を紹介され入院した.入院時CA19-9が2,804U/ml,DUPAN-2が841U/ml,Span-1が134U/mlと上昇していた.CTで十二指腸水平部に6cm大の腫瘤を認めた.内視鏡検査で,同部位に粘膜下腫瘍様の病変を認め,生検ではgroup 1であったが,十二指腸GIST疑いで手術を施行した.摘出標本では壁外性に発育した腫瘍で,粘膜面に潰瘍を伴っていた.病理学的には腺癌成分と扁平上皮癌成分を認め,腺扁平上皮癌と診断した.術後補助化学療法を開始したが,術後8か月で局所再発による狭窄症状が出現したため胃空腸吻合術を施行した.術後9か月に腸閉塞で入院し,CTで多発肝転移も認め,人工肛門造設術を行ったが術後10か月で死亡した.小腸原発の腺扁平上皮癌はまれで本邦では26例目の報告である.

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