Abstract

2015年9月,大分県内の牧野に放牧中の黒毛和種10歳齢の雌,元気食欲不振を主訴に受診した.症例は可視粘膜蒼白で血液塗沫にてタイレリア原虫が検出されたため,小型ピロプラズマ病と診断された.第1病日赤血球数116×104/μℓ,ヘマトクリット(Ht)値11.2%を呈し,第4病日まで,1日1回ジミナゼン・ジアセチュレート(DDA)1g/頭を投与したが,原虫寄生率,ヘマトクリット(Ht)値に変化がなく,第6病日において臨床症状の改善がみられなかったため,アクリフラビン1%溶液を50 mℓ静脈内投与した.第7病日には食欲は回復し,赤血球数133×104/μℓ,Ht 12.9%と貧血も改善傾向に向かった.アクリフラビンは動物用医薬品として販売されておらず,小型ピロプラズマ病の治療薬としての認識は少ない.今後DDAに反応しない症例においては,その治療選択肢としてアクリフラビンの使用が考慮されるべきと考えられた.

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call