Abstract

非常に稀な疾患である骨原発筋上皮細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は,58歳,女性.既往歴に特記事項は無かった.現病歴:平成20年の年末に右手背部の腫脹に気付いたが,痛み無く放置していた.平成21年5月頃から,時折右第3,4指のしびれ感を自覚し,近医を受診.当科紹介受診となった.右手背尺側に骨の膨隆を触知したが,圧痛・叩打痛ともに認めなかった.単純X線では,骨硬化と骨融解像を伴う右第4中手骨の膨隆を認めた.MRIでは,T1WIで低輝度,T2WIで液面形成を伴う高輝度を示し,Gdにて辺縁のみ造影された.診断確定の為に切開生検を行い,病理学的に筋上皮細胞腫と診断した.生検後外来にて経過観察を行っているが,約1年を経過した現在腫瘍の増大・転移ともに認めていない.骨原発の筋上皮細胞腫は非常に稀な腫瘍であり,我々が渉猟し得た範囲では,世界中で10例の報告があり,そのうち良性の筋上皮腫は3例のみであった.

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