Abstract

症例は82歳の男性で,血便を主訴に当院へ紹介となる.下部消化管内視鏡検査で全周性3型のS状結腸癌を認め,内視鏡の通過は困難であった.腹部造影CTで肝S4/5/8を主座とした10cm大,肝S7に5cm大の早期濃染wash outされる腫瘍を認め,肝細胞癌と診断した.S状結腸癌の切除を先行し,二期的に右三区域切除術の方針とした.腹腔鏡下S状結腸切除術の際に,腹腔鏡下門脈右枝結紮術を施行した.予定残肝容積は521mLと約17%肥大し,予定残肝容積割合63%,予定残肝ICG-K 0.072と改善を認めた.門脈結紮術後32日目に右三区域切除術を施行した.術後合併症はなく,結腸癌に対する術後補助化学療法施行中である.結腸癌および肝細胞癌の重複癌に対して,腹腔鏡下門脈右枝結紮術を施行し,右三区域切除術を施行した.本症例のように,重複癌で複数回の開腹手術が必要な場合,腹腔鏡下門脈結紮術は簡便で安全に施行可能で経皮経肝門脈塞栓術の代替の治療選択になりうると考える.

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