Abstract

症例は81歳,男性.前日朝からの右鼠径部膨隆と疼痛を主訴に受診した.身体所見では右鼠径靱帯尾側に鶏卵大の膨隆を触知した.腹部CTでは大腿ヘルニアが疑われる所見であった.用手的に整復することができず,大腿ヘルニア嵌頓の診断のもと同日緊急手術を施行した.手術所見では大腿ヘルニア内に腸管の脱出を認め,絞扼・壊死していた.ヘルニア嵌頓を整復し確認すると,脱出した腸管は憩室で,Bauhin弁から口側90cmの小腸の腸間膜対側から発生しMeckel憩室の所見であった.憩室を切除し,McVay法でヘルニア修復を行った.病理組織検査結果ではMeckel憩室の一部に異所性胃粘膜が存在した.Meckel憩室をヘルニア内容とするヘルニアはLittreヘルニアと呼ばれ,腸閉塞症状に乏しく,絞扼・壊死を伴うことが多く注意が必要である.LittreヘルニアはMeckel憩室の稀な合併症であり,文献考察を加えて報告する.

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