Abstract

脳アミロイドアンギオパチー(CAA)は,55歳未満の発症は稀であり,その一部の症例において幼少期の脳外科手術との関連が報告されている.症例は,1歳時に頭部外傷手術に際して屍体硬膜を用いた硬膜再建を施行された37歳の男性.意識障害と運動性失語を認め,頭部CTで左側頭頭頂葉皮質下出血と診断された.脳血管撮影では,出血源となり得る有意所見は認めず,開頭血腫除去術を施行された.後日,創部感染から波及した左大脳実質の脳膿瘍に対して排膿術および骨弁除去術を施行され,その際に提出した脳表の病理組織診にて,血管壁へのアミロイドβ(Aβ)の沈着を認め,CAAの診断となった.CAAの遺伝的素因はなく,幼少期の屍体硬膜を用いた脳外科処置がAβの沈着とCAAの発症に関係していると考えられた.

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