Abstract

背景.心タンポナーデで発症する原発不明扁平上皮癌は非常にまれであり,その長期生存例はさらにまれである.症例.51歳女性.2004年12月に全身倦怠·下腿浮腫を主訴に近医を受診し,心嚢液貯留を指摘され当院へ紹介された.心タンポナーデと診断しドレナージがおこなわれた.心嚢液は血性であり細胞診でClass V,扁平上皮癌と診断された.全身検索をおこなうも原発巣を同定できず,FDG-PETにて右背側胸膜付近に強い集積を認めるのみであった.PETを撮影後に胸部CTを読影しなおすも明確な病変を指摘できなかった.シスプラチン·ビノレルビンによる化学療法を4コースおこなった.その後は心嚢水の再貯留を生じることなく,PETでの右胸腔内の集積は消失し,2009年3月の現在,明らかな再発を認めず社会復帰している.結論.原発巣としては肺もしくは胸膜の可能性がある.また,長期生存に化学療法が寄与したと考えられた.

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