Abstract

今回,われわれは5年間の長期病悩期間を経て手術に至った成人腸回転異常症の症例を経験した.症例は45歳の男性.胆石胆嚢炎を発症した際のCTで腸回転異常症を指摘された.胆嚢摘出術を施行,腸回転異常症は捻転なく無症状のため経過観察となった.その後5年間,食思不振,間欠的な腹痛,嘔吐の消化器症状が持続,増悪するため手術を施行した.開腹すると小腸は360度捻転し,Ladd靱帯により十二指腸が狭窄していた.また,小腸の静脈血は側副血行路として副右結腸静脈から門脈へ還流していた.Ladd手術を施行し,術後経口摂取良好となった.成人例の腸回転異常症は他疾患の精査中,手術中に発見されることが多く,腸回転異常症に由来する症状をきたすことは比較的まれである.さらに5年間の長期病悩期間,結腸静脈系を介する側副血行路の発達を伴うなど,まれな症例であると思われた.

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