5–fluorouracilによる高アンモニア血症と乳酸アシドーシスに対し持続的血液濾過透析が有効であった1例(A case of 5–fluorouracil–related hyperammonemia and lactic acidosis treated using continuous hemodiafiltration)

Abstract

要旨 83歳の男性。直腸癌・多発肺転移に対してmFOLFOX6+bevacizumab療法を施行した。施行3日目に意識障害を認め，頭部CTとMRIを施行したが異常所見を認めなかった。血液検査で高アンモニア血症と乳酸アシドーシスを認め，5–fluorouracil（5–FU）の副作用と診断して持続的血液濾過透析（continuous hemodiafiltration: CHDF）を施行した。治療後は経時的にアンモニア値，乳酸値，意識レベルは改善した。5–FUを投与する際に意識障害を認めた場合は，高アンモニア血症を留意すべきである。また，5–FUによる著明な高アンモニア血症や乳酸アシドーシスに対して，CHDFが有効である可能性がある。