Abstract

皮膚疾患の皮疹が局在している場合があり,これは西洋医学では説明できないことが多い。しかし,漢方医学的には皮疹の局在について経絡学的に解釈することができ,よりきめ細やかな治療が可能であった2症例について報告する。症例1は32歳女性,口囲に散在性の丘疹にて尋常性痤瘡と診断し,六君子湯を投与して軽快した。症例2は37歳男性,アトピー性皮膚炎にて頚部の皮疹が目立ち,辛夷清肺湯を投与して軽快した。皮疹の改善後に経絡的に考察した。上記2症例の疾患の部位はそれぞれ足陽明胃経,手陽明大腸経が通っている。六君子湯と辛夷清肺湯の構成生薬はそれぞれすべて脾経,肺経に関連しており,六君子湯は足太陰脾経を介して,つながって表裏をなしている足陽明胃経に,辛夷清肺湯は手太陰肺経を介して,つながって表裏をなしている手陽明大腸経に働いたと考えられた。経絡的な解釈でこれらの疾患に対して漢方治療が有効であったと考えられた。

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