Abstract

症例1は77歳の男性で,黄疸の精査にて遠位胆管癌と診断された.症例2は57歳の男性で,貧血の精査にて内視鏡的切除が困難な十二指腸腫瘍と診断された.2例とも腹部ダイナミックCTにて腹腔動脈(celiac artery;以下,CAと略記)起始部の狭窄が指摘された.血管造影検査でも特に吸気時でCA狭窄が強く認められ,肝動脈血流は,上腸間膜動脈からの膵頭部アーケードを経由して得られていた.いずれも正中弓状靭帯による圧迫が狭窄の原因と考えられ,手術では靭帯切離,狭窄解除を行った.術中大動脈造影にてCAの血流の正常化が確認できたため,血行再建を行わずに膵頭十二指腸切除を施行した.一般的には,正中弓状靱帯切離前後の血流評価は触診や超音波ドプラ法によって行われることが多い.今回,我々はハイブリッド手術室にて術中血管造影を行うことでCA血流の改善を従来の方法と比べて視覚的に評価することができた.

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