Abstract

要旨 硫酸マグネシウム(以下Mg)静注療法は,破傷風の筋痙攣・強直や自律神経障害への有効性が報告されている。しかし,その投与量の調整方法は確立されていない。本邦で破傷風患者は稀であるが,我々は異なる指標で硫酸Mgの投与量を調整した2名の破傷風患者を経験した。患者1では臨床所見にもとづいて調整したところ,筋痙攣・強直や自律神経障害のコントロールは良好であったものの重篤な高Mg血症を生じ,経過中にQT延長と気管内出血の合併症を来した。患者2では血清Mg濃度で投与量を調整したところ,患者1よりも血圧変動が目立ったものの,有害事象を生じることなく良好な転帰を得ることができた。破傷風に対して硫酸Mg静注を行う際には,ある程度の自律神経障害が残存したとしても,重篤な高Mg血症を来さないように血中濃度をもとに投与量を調整するほうが好ましい可能性が示唆された。

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