Abstract

要旨症例は67歳の男性で,喉頭癌(cT3N1M0 stage III)に対し喉頭亜全摘術および気管切開術を施行された。術後の経管栄養開始後に血糖上昇傾向となり,その後,高浸透圧高血糖症候群(hyperosmolar hyperglycemic syndrome: HHS)を発症した。さらに浸透圧利尿による脱水にて腸管低灌流を合併したことによると思われる非閉塞性腸管虚血症(non–occlusive mesenteric ischemia: NOMI)が疑われたため,緊急で診断的腹腔鏡検査を施行した。その結果,明らかに壊死した腸管を認めたため開腹手術に移行し,初回手術では壊死腸管の切除のみを行った。集中治療後に二期的に腸管再建術を施行し,その際にインドシアニングリーン蛍光法にて残存腸管に血流障害がないことを確認した。今回我々は,HHSを契機に発症したと考えられるNOMIの1例を経験した。NOMIは非常に致死率の高い予後不良な疾患であるが,計画的な二期手術および集中治療にて救命し得た。自験例について,文献的考察を交えて報告する。

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