Abstract

要旨皮膚欠損を伴う創傷においては,創傷治癒を促進するために局所陰圧閉鎖療法(NPWT)が一般的に行われているが感染創に対しては使用できない。今回,下肢の救済が困難と思われた壊死性筋膜炎に対し創内持続陰圧洗浄療法(IW–CONPIT)とNPWTを用いて治療を行い,最終的に植皮術で治癒し下肢を救済し得た1例を経験した。患者は67歳男性で糖尿病を指摘されるも未治療であった。8日前より右下腿の発赤・腫脹が出現し,近医で抗菌薬内服による加療を行うも右下腿の発赤部より排膿を認め,当院紹介となった。血液検査で著明な炎症所見およびCTにて右下腿筋膜に沿って液体貯溜の所見を認め,壊死性筋膜炎の診断であった。入院3日目にデブリードマン施行し,連日創部の洗浄処置を行った。10日目より,まずIW–CONPITを導入し,以後,感染が沈静化したため34日目にNPWTに変更した。その後,肉芽形成が良好であったため入院55日目に全身麻酔下で分層植皮術を施行した。術後14日目には最終的に創部は完全に上皮化し歩行可能となった。感染創に対してNPWTにIW–CONPITを併用することは,感染コントロールしつつ創管理を行うことが可能であり,非常に有用な治療法であると考えられる。

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