Abstract

要旨頭部外傷による急性硬膜下血腫の治療中に明らかになった急性リンパ性白血病の1例を報告する。患者は6歳の男児。頭部打撲後に嘔吐,意識障害を伴って当科に救急搬送された。搬入時,深昏睡,瞳孔不同などから頭蓋内出血を疑い,緊急気管挿管後に頭部CTを施行した。急性硬膜下血腫の診断で緊急穿頭血腫除去術および開頭血腫除去術を行った。術後経過は良好であったが,汎血球減少を認めたため骨髄生検を施行した。急性リンパ性白血病の診断となり,頭蓋形成術後に化学療法を開始し,寛解を得た.重症頭部外傷では,出血や輸血,炎症などにより採血データに修飾が加わり,受傷直後の白血病の鑑別は困難であるが,経時的な観察により感知可能である。また,頭蓋内出血を伴う白血病においては,その治療にあたり,中枢神経浸潤を考慮する必要がある。

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