Abstract

症例は58歳,女性.糖尿病性腎症による血液透析施行中の方.胸部単純X線写真で左肺に腫瘤像を指摘され,経過観察に伴い増大し,遠軽厚生病院外科に紹介となった.術前精査で確定診断に至らず,胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.術後の病理検査で滑膜肉腫が疑われ,SS18プローブを用いたFISH法による精査ではsplit signalが50%以上の腫瘍細胞に検出され,その他の所見と合わせ単相型滑膜肉腫と診断された.確定診断後,整形外科での診察でも明らかな肺以外の病変はなく原発性と判断し,経過観察を行った.術後4年を経過し全身に再発所見を認めていない.肺原発滑膜肉腫は非常にまれな疾患であり,臨床経過などは十分には明らかとされていないが,患者の半数は本腫瘍を原因として死亡するとされ,予後は不良とされている.また,明らかな確立された化学療法もないため,今後の十分な経過観察と症例の積み重ねが重要であると考えられた.

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