Abstract

ラトケ嚢胞に合併した下垂体膿瘍の1症例を報告した.症例は14歳の女性,頭痛と両耳側半盲を主訴に来院し,内分泌学的検査では汎下垂体機能低下の所見を呈した.頭部単純撮影ではトルコ鞍は正常であり,頭部CTおよびMR1にてトルコ鞍内から鞍上部にかけてリング状増強効果を伴う嚢胞性病変を認めた.経蝶形骨洞手術により,膿瘍の開放を行った.術後視野障害は改善し,汎下垂体機能低下症には現在ホルモン補充療法を行っている.組織学的に膿瘍壁は縁毛細胞や杯細胞を有する立方上皮,円柱上皮からなり,内容物は好申球やマクロファージが散在する壊死組織であった.ラトケ嚢胞に合併した下垂体腫瘍は,本症例を含め現在まで13例の報告しかない稀な疾患であるので,下垂体膿瘍の発生機序および画像所見を中心に文献的考察を加えて報告した.

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