Abstract

症例は98歳女性.他科での定期検査により低栄養と貧血を指摘され受診した.造影Computed Tomography(CT)にて腸管虚血がない腸重積と診断し,悪性疾患を考慮して待機的に結腸右半切除+D2郭清を施行し病理組織学的に盲腸癌の最終診断を得た.解剖学的に盲腸癌の腸重積が起こりやすいことは知られているが,本症例は巨大な盲腸癌が先進部となり横行結腸脾湾曲まで重積するstage IIIaの進行癌であったにもかかわらず,自覚症状が無く便潜血反応も陰性であった.盲腸が首座のため通過する消化管内容が液性であったこと,高齢女性ゆえに組織が疎で伸展性に富み,無自覚症状で経過したと考えられた.また,右側結腸側では進行癌かつ腸重積でも便潜血反応陰性になる場合があり,便潜血反応陰性であっても無自覚症状の貧血精査においては丁寧な身体診察に加え,排便周期,便の性状を考慮し消化管出血を念頭に検査を進める必要がある.

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