Abstract

同時多発性脾転移を認めた脾弯曲部結腸癌の1例を経験した.症例は74歳の男性で,脾弯曲部結腸癌による閉塞症状により来院した.来院時のCTにて脾弯曲部結腸の壁肥厚と多発脾腫瘍を認めた.脾弯曲部結腸癌および多発性脾転移と診断されたが,肝や肺に転移を認めなかった.膀胱癌による膀胱全摘後で開腹歴のあること,腫瘍による脾腫大があるために開腹で左半結腸切除術および脾摘出術を行った.病理学的に脾腫瘍は腺癌であり,結腸癌の転移に矛盾しない所見であった.著明な静脈侵襲を認めており,血行性転移の可能性が高いと考えられた.術後経過良好であり,特に合併症なく術後19日目に軽快退院となった.術後補助化学療法としてS-1+oxaliplatinを8クール完遂し,術後12カ月再発なく経過中である.大腸癌の脾転移は稀であるが,切除可能であれば積極的に切除するのが良いと考える.

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