Abstract

症例は46歳男性で,42歳から盲腸炎を繰り返していたが確定診断がつかず,43歳から通院していなかった.二日前からの発熱と右下腹部痛で来院した.CT画像で右下腹部の腹壁と皮下に液体の貯留を認め,盲腸が変形していた.右下腹部皮膚を切開すると膿瘍と腸液が排出された.何らかの盲腸穿通と考え試験開腹術を行った.盲腸腸間膜対側に穿孔を認めたが他の小腸や大腸に異常は認めず,右半結腸切除術と腹壁皮下膿瘍ドレナージを施行した.摘出標本の菌培養で結核菌や特殊な菌は認めなかった.穿孔部の病理像は潰瘍に非特異的な炎症を認めるのみで,単純性潰瘍が進行した穿孔と診断された.術後2週間で退院,術20カ月後現在再燃を認めていない.盲腸穿孔の報告は左側大腸好発の特発性大腸穿孔と違い,単純性潰瘍やその他まれな原因でも穿孔をきたす.報告例はまれであるが壮年の盲腸穿孔は単純性潰瘍も念頭に置く必要があると考えられた.

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