Abstract

要旨肺動脈瘤は様々な要因により形成され,破裂すると喀血から気道緊急を起こし得る。肺動脈瘤は稀な疾患であり,末梢性と中枢性に分類されるが末梢性肺動脈瘤はさらに頻度が少ない。今回,気管支拡張症の炎症を原因とした末梢性肺動脈瘤破裂の救命例を経験したので報告する。肺炎・気管支拡張症で入院歴のある65歳の男性。自宅で大量喀血し当院救命救急センターに救急搬送となった。造影CT検査で左肺動脈舌区枝(A5)に径25mmの末梢性動脈瘤を認め,喀血の原因と判断された。喀血による気道緊急予防のため,気管支鏡を用いて透視下で責任気管支に気管支ブロッカーを留置したうえで経皮的動脈塞栓術を施行した。肺動脈へカテーテルを進め,血管内バルーンを用いて動脈瘤近傍の血流をコントロールすることで流入および流出血管を確認し,コイル塞栓術を施行した。術後の気管支鏡検査で気管支ブロッカーが気管内出血を制御していることを確認し,責任気管支の血餅除去を行った。術後の造影CT検査では仮性動脈瘤の血栓化が確認され,独歩自宅退院となった。気管支拡張症に肺動脈瘤を合併することは稀であるが,鑑別疾患として考慮する必要がある。また,喀血に対して気管支ブロッカーを用いて出血を制御することは気道緊急を回避する観点から有用と思われる。

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