Abstract

要旨特発性食道破裂は胸部下部食道の左壁に好発するが,今回胸部上部食道に生じた特発性食道破裂の1例を経験したので報告する。症例は61歳の男性,肉塊が食道につかえ,吐出努力繰り返すも改善ないことから前医へ搬送された。胸腹部単純CTにて食道第1狭窄部直下に詰まった食道異物と広範な縦隔気腫を認め,当院へ転送された。内視鏡検査にて食道入口部直下に食道を塞ぐ大きな肉塊を認め,それを押し込むと停滞部直下に縦走潰瘍が形成されており,胸部上部食道が穿孔部と判断した。状態は安定しており保存的加療を行い,15日目に退院となった。胸部上部食道における特発性食道破裂は非常に稀ではあるが,本症例は,肉塊が一度食道内に詰まり,吐出しようと努力を繰り返した際に肉塊の下で食道内圧が亢進したことで同部位に穿孔が生じたものと思われた。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call