Abstract

要旨症例は86歳の男性。癒着に伴う絞扼性腸閉塞に対して小腸切除術および空腸に腸瘻造設術を行った。術後6日目に貧血の進行と血便を認めた。消化管出血が原因と考えたが,精査の結果,腸瘻カテーテルの腹壁貫通路に存在する左下腹壁動脈末梢の損傷による出血と診断した。腹直筋筋膜下の出血であり,interventional radiology(IVR)によって左下腹壁動脈を塞栓して止血を得た。血便という非常に稀な臨床所見で発見した腸瘻カテーテル関連の合併症であり,とくに左右下腹部を貫通させて造設した後の消化管出血の際には鑑別に挙げる必要がある。また,止血の際には局所麻酔下で出血点に到達できるIVRが有用と考えられた。

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