Abstract

要旨カルバマゼピンは抗てんかん薬で,中毒症状としてめまいや意識障害,不整脈が認められることが多い。カルバマゼピン過量服薬から徐脈性不整脈,心肺停止に至り体外循環を導入し救命した症例を経験した。症例は54歳の女性,既往に統合失調症がある。搬送当日,朝から希死念慮のためカルバマゼピンを過量服薬し,自宅で倒れているところを発見した家族が救急要請した。病院到着後に徐脈から心停止に移行した。心拍再開したが薬剤抵抗性の徐脈を認めたためVA–ECMOを導入した。入院4日目にVA–ECMOを離脱,10日目に人工呼吸器を離脱し35日目に退院となった。カルバマゼピンはナトリウムチャネルブロックの作用を有しており,催不整脈作用を有する。過量服薬時の徐脈性不整脈は治療抵抗性のため,循環不全もしくは心停止に至る症例ではVA–ECMOの導入が効果的であることが示唆された。

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