Abstract

要旨【目的】前橋赤十字病院(当院)は2009年のドクターヘリ(DH)導入に続き2016年にドクターカー(DC)を導入した。本研究ではDC導入による医療介入開始,病院到着時間の変化を調査し,DHとDCの有効活用について考察した。【方法】DC導入前後の前橋市内の医療介入開始(覚知~接触),病院到着(覚知~病院着)時間について比較し,DHとDCに必要な人的資源と経費について調査した。当院からの距離と医療介入開始,病院到着時間の相関を,各々DHとDCと調べた。【結果】医療介入開始,病院到着時間はともにDC導入後に短縮した(16分vs. 21分,35分vs. 43分,p<0.01)。必要人員はDH 11名,DC 8名,出動経費はDH 300,210円/回,DC 99,080円/回であった。DHにおける当院からの距離と医療介入開始,病院到着時間の相関関係は弱く(ρ=0.083,p=0.412 / ρ=0.189,p=0.060),DCでは強かった(ρ=0.712,p<0.001 / ρ=0.772,p<0.001)。DHの医療介入開始・病院到着平均時間は,DCではともに当院から9km圏内で達成可能と推定された。【結語】前橋市ではDC導入により医療介入開始・病院到着時間の早期化が実現し,1件当たりの人的・経費的負担が軽減した。前橋市では,当院から約9kmを境にDHとDCで分業することで病院前診療が効率化しうる。

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