Abstract

要旨【目的】KyberSept trialのサブグループ解析では,アンチトロンビン高用量投与群はプラセボ群に比べて有意に死亡率が低かった。しかし,高用量アンチトロンビン投与による,凝固系への影響に関しては詳しく知られていない。今回アンチトロンビン高濃度検体の凝固特性について調査を行った。【対象】健常者10人より血液検体を採取し,アンチトロンビン製剤を添加することでアンチトロンビン濃度が異なる検体を作成した。凝固特性の調査には生体内での反応に近づけるため,全血を利用するT–TAS®およびROTEM®を使用した。【結果】血小板機能を反映するPL測定では,血栓閉塞開始時間はアンチトロンビン濃度に依存し有意差をもって延長した。AR測定でも同様に,血栓閉塞開始時間はアンチトロンビン濃度に依存し延長した。また血栓閉塞時間もアンチトロンビン濃度に依存し延長した。健常検体内では十分量存在し飽和状態と考えられていたアンチトロンビンであるが,高用量投与された場合には抗凝固作用が増強することが証明された。さらに,T–TAS®を用いたPL測定を行うことで,血小板血栓形成能にも抑制効果が認められることが証明された。【結語】アンチトロンビンは濃度依存性に抗凝固作用を発揮する。また血小板粘着能に対しても影響を及ぼしており,濃度依存性に血小板血栓形成能を抑制する。

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