Abstract

Brugada症候群や,最近注目されているJ波の上昇を認める特発性心室細動(idiopathic ventricular fibrillation : IVF)の症例では,夜間や安静時に心室細動発作が多く見られ,Brugada症候群におけるST上昇やJ波の上昇は,徐脈や迷走神経緊張に伴い増大する.これらの上昇は,無症候性Brugada症候群例やJ波を有する健常者に比べ,IVF症例でより大きく見られることから,夜間や安静時の心室細動発作との関連が示唆された.一方,先天性QT延長症候群(先天性LQTS)は,運動や精神的ストレスを契機として,早期後脱分極(early afterdepolarization : EAD)により多形性心室頻拍(torsade de pointes : TdP)が発生し,失神や突然死をきたすことが知られている.先天性LQTSの失神発作と自律神経活動の関係について,ホルター心電図を用いて検討したところ,失神発作が生じる際にRR間隔の短縮した部分でQT時間が短縮せずに延長することから,失神発作時のQT延長には交感神経と迷走神経,および交感神経のα,βの不均衡が関与している可能性が考えられた.さらに,ホルター心電図を用いたQT/RR,Tp-e/RR関係の解析では,LQT1群とLQT2群のQT/RR関係の傾きは健常群より増大していたが,日内変動は見られなかった.一方,Tp-e/RR関係の傾きはLQT1群では夜間より日中にかけて増大し,LQT2群では日中より夜間に増大する傾向が健常群よりも顕著に見られたことから,原因となるK+チャネル異常との関連が示唆された.

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