高齢者胃癌に対する腹腔鏡補助下胃切除術の臨床的リスク評価─POSSUMとE-PASSスコアでの検討─

Abstract

【目的】高齢者胃癌における腹腔鏡下胃切除術の術前リスク評価をPOSSUMとE-PASSスコアで検討した．【方法】腹腔鏡下胃切除術57例（75歳以上の高齢者群17例，75歳以下の非高齢者群40例）を対象とし，両群間でPOSSUM，E-PASSスコアを比較検討した．【結果】POSSUMのphysiological score（PS）は非高齢者群に比して有意に高齢者群は高値であったが，operative severity（OS）scoreは差がなかった．PS＜19かつOS＜11のlow risk groupは両群ともに術後合併症はなかったが，高齢者群の術後合併症５例中４例（80％），非高齢者群の10例中４例（40％）がPS≧19かつOS≧11のhigh risk groupであった．E-PASSの総合リスクスコアでは両群間に差がなかった．【結語】POSSUMスコアは高齢者の腹腔鏡下胃切除術の術前リスク評価に有用であると思われた．