Abstract

放射性セシウムで汚染された浄水発生土を用い,コマツナによる137Csの経根吸収について検討した。赤玉土,黒土,腐葉土からなる土壌(0S土壌),0S土壌4.5Lに対して浄水発生土を0.5L混合した土壌(0.5S土壌),及び0S土壌3.5Lに浄水発生土1.5L混合した土壌(1.5S土壌)を調整し,コマツナを栽培した。栽培過程において各土壌で栽培したコマツナの草丈に差はなく,また収穫時の生重量は0S土壌よりも浄水発生土を含む土壌で栽培したコマツナで重くなった。これらの結果から,浄水発生土はコマツナの成長を抑制しなかったことがわかった。0S土壌,0.5S土壌,1.5S土壌で栽培したコマツナの収穫時における乾燥重量あたりの137Cs濃度は,それぞれ1.89Bq/kg,153Bq/kg,400Bq/kgであった。これらを生重量あたりに換算し134Csの濃度との和から放射性セシウムの濃度を求めたが,いずれも新基準値である100Bq/kgを超えることはなかった。また,浄水発生土を含む土壌からコマツナの乾燥重量あたりの137Cs移行係数は,混合した浄水発生土の容積比にかかわらず0.1であり,生重量あたりの移行係数は0.007であった。これらの値は,我が国の農地で栽培した葉菜類の137Cs移行係数の範囲内であった。

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