Abstract

大淀区, 城東区を事例とする以上の分析によって, 大阪市内の都心近接区部と縁辺区部における住宅市街地化の動向が明らかにされた。それを民間中高層集合住宅, 特に民間分譲マンションの立地動向に視点をあててまとめると, 以下のようになる。(1)民間中高層集合住宅の立地件数は, 現状では賃貸マンションが圧倒的に多い (件数比率で分譲1, 賃貸5)。(2)工場転出跡地における土地利用としては, 都心近接区部のほうが民間分譲・賃貸マンション化の件数比率が高い。縁辺区部では戸建分譲住宅地化や駐車場化の件数比率が高く, 民間分譲・賃貸マンション化の件数比率は相対的に低い。(3)都心近接区部では, 工場跡地のオフィスビル化や住居・店舗化 (細分化) の件数比率も高い。(4)縁辺区部における民間分譲・賃貸マンション立地は, 空地・未利用地における件数比率が高い。(5)全体的には, 工場跡地や空地・未利用地での民間分譲・賃貸マンション立地の戸数規模は比較的大きい。このような結果から, 土地利用の変化として, 相対的に地代支払い能力の低い工業的土地利用から, より地代支払い能力の高い住宅あるいは商業的土地利用への転換と, より一層の高密度利用が進行しつつあることが明らかになる。そして, このような傾向から判断すると, 小規模敷地における民間分譲マンションの立地がさらに進行することが予想されるのである。従って, 都市全体の居住環境水準を高めるためには, 単なる住戸数の増加のみでなく, 街区や地区としてのオープンスペースや歩道などの都市施設の計画的整備が不可欠である。こうして, 都市内住宅地全体の居住環境水準を高めることが, 長期的に良好な住宅ストックの増加に結びつくものとなる。

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