Abstract

英国図書館貸出局 (BLLD) は, 原資料の貸出し, 複写サービス機関として, 英国のみならず, 広く世界中に知られている。その網羅的資料収集と協力図書館群との密接な協力によって, そのサービスの充足率の高さと正確さ, そして, その迅速性は, 他に類を見ない優れた点である。それらを実現している背景には, 過去の経験の分析から生まれた合理的処理手続きの応用, 館内での大量資料移動のための, ベルトコンベアと, 自動リフトの統合機械化システム, そして人員の最適配置を可能にする柔軟な組織と人材教育など, 隨所に, 地味ではあるがユニークなアイデアが生かされている。BLLDの, 外部からの貸出し・複写注文は, 郵便による方法が主体であるが, 次第に迅速さ, および便利性などの点から, テレックス注文, コンピュータリンク (DOCLlNE) 注文の数も増大している。また, 二次資料データベースサービスと直結した, 自動ドキュメン卜リクエストサービス (ADRS) なども, BLLDが期待している注文方式の一つである。一方, 膨大な量にのぼる資料の購入, 維持管理およびサービスの迅速さの維持の問題と経費の増大, および出版社との著作権にからむロイヤリティ問題等, BLLDの課題は多い。それらの課題を解決する一つの方向として, 電子ドキュメントデリバリ方式に注目し, 積極的に取り組もうとしているのが現状である。

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