Abstract

肺血流量減少性疾患に対して鎖骨下動脈と肺動脈を人工血管で接続するmodified Blalock–Taussig shunt手術(BTS)は今もなお重要な姑息手術である.BTS人工血管によって供給される肺血流の過大と過小は患者の臨床経過を決定する重要な因子であり,単心室の新生児及び早期乳児では時に致死的イベントを来す大きな要因となる.しかしながら,BTS血流量の最適化のための人工血管サイズ及び吻合部位の選択基準が明確ではなく,術直後の血流過多によるショックへの緊急対応や遠隔期の血流過小に対するBTS追加手術を必要とすることがしばしば発生する.この問題解決のためには,シャント血流を任意に調節可能となることが望まれる.今回我々は,小口径人工血管周囲に特殊構造のバルーンを設置し,皮下ポートに接続することで経皮的にバルーン容量を変化させる装置を開発した.模擬循環回路では,バルーン容量の可変により再現性のある人工血管の圧–流量関係の変化を認めた.ビーグル犬を用いた生体内埋植モデル(右頚動脈を本装置を装着した人工血管で置換)では,埋殖直後及び,3か月後においてバルーン容量可変による流量調整が可能であった.本装置により,誰もが容易にBTS流量を調整することが可能になると考えられた.

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